二月十五日 月曜日

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二月十五日 月曜日

2021.02.15昌子の気まぐれ日記

二月十五日 月曜日

多分、昨日は父の命日だ。亡くなったのが深夜を超えた十二時十分だったので、十四日の深夜と言ったら良いのかも知れない。朝の八時に母が病院から電話して来て、「危篤でもう二十分ももたない」と言った。車で高速を走って三時間弱かかる。前日、病院に見舞いに行くため、夫は会社を休んでいた。会社に連絡しても、この日は仕事を休めない。息子はすでに学校だった。

結局、出発できたのは、夜の九時二十分頃。高速を降りて病院近くのラーメン屋に入ったのが、深夜間近。すでに覚悟はしていたし、これから長丁場になると思った。

車を降りた途端、急に身体が震え出した。寒いからではないのは、なんとなく分かった。一応、霊媒体質なので。ラーメンを注文して時計を見たら、十一時四十五分だった。病院に着くのは、十二時十分だと思った。

しばらくして震えは収まった。ラーメンを食べて店を出る。病院に着き、エレベーターに乗り、四階にある病室へ向かう。父のいる集中治療室には、家族や叔母や従兄妹たちがすでに集まっていた。

部屋に一歩入った途端、ピーという機械音がした。付き添っていた医師が、父の死を告げ、「十二時十分です」と言った。

私の到着があまりにも遅いので、父はあのラーメン屋まで迎えに来ていたのだろう。

そうして、私が予想した「十二時十分」まで、待っていてくれたのだ。

父はラーメンが好きだった。もしかしたら、あの店で一緒にラーメンを食べていたのかも知れない。バレンタインデーの思い出だ。

 

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