2021.02.14昌子の気まぐれ日記
昨日の朝、新聞を取りに表に出たら春の匂いがした。今日も暖かい。仕事場は完全に温室状態。植物たちが喜んでいるのが分かる。君子蘭のオレンジ色の花が王冠のよう。太い茎が、どんどん伸びている。
小さかった頃、広島県三次市にあった母方の祖父母の家で過ごすことが何度かあった。茶葉の卸問屋だったその家の、一番日当たりの良い部屋には、大きな茶葉の俵が積んであり、私はその上で、空想に耽るのが好きだった。やがて、祖父母はその家を引き払い、私たちと同居するようになった。
こんな日は、その頃のことをよく思い出す。茶葉の俵が大八車で運ばれて来る。「俵」といっても、藁ではなく油紙のような物だ。俵の紙を通して、茶葉は枯葉が擦れるような音を立てていた。それを背中で感じながら、私はなんだかとても幸せだった。
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